展覧会情報
2018
幸せのかけら

浅尾順子展

会期 2018年4月19日(木)~5月1日(火)
《 最終日5月1日(火)は午後4時にて閉廊 》
会場 定禅寺通り 阿部敬四郎ギャラリー
営業時間 10:30〜18:30
定休日 水曜
作家来廊日 20日(金)、21日(土)、22日(日)

現在白日会会友である浅尾氏の仙台初個展。
描けることを幸せに感じ、「果物の美しさはどんな宝石よりも魅力的」という浅尾氏の果物・花・人物等を油彩・水彩で描いた新作10余点を出品致します。
是非この機会にご高覧下さいますようお願い申し上げます。

個展「幸せのかけら」開催に寄せて

「絵を描く人になりたい」
幼い頃の夢を思い出したのは、すでに人生の折り返し点も過ぎた50歳目前でした。
本格的に勉強を始めて3年後、2011年の白日会展に水彩画で入選しました。
その翌日、あの東日本大震災が起こりました。

私の郷里は福島です。
それまで経験したことのない辛く悲しい日々が続きました。
絵を描く気力もなくしました。
被災された方々の力になりたいと、福島の農産物の販売ボランティアに加わり、宮城、福島で被災され方々との交流も始めました。
絶望ともいえるあの状況のなかでもあきらめることなく、
前へ進もうとする生産者の方々から力をいただき、
絵を描く事を再開できました。

そして、はじめたのが被災者支援のための絵葉書の制作と販売です。少しでも風評被害の助けになればと思い、1年に2種類の絵葉書をつくりました。
今では14種類になっています。
絵葉書の売り上げは些少ですが、全額を飯舘村「いいたてっこ未来基金」に寄付しています。

私でもできることを何か・・・・・。
3.11のあと、居ても立ってもいられない気持ちにかられてはじめた絵葉書づくり。
それが私に気づかせてくれたことがあります。
ほころびかけていた花のつぼみが、朝日を浴びて開いたとき、
咲きはじめた花の、漂う香りに気づいたとき、
おいしそうに焼けたパンやお菓子、
ふるさとから届く、宝石にも勝るくだものの輝き、
心通う友との語らい、
そのひとつひとつが私の大切な幸せのかけら。
私が画布に描きたいと願ってやまない美しさです。

浅尾順子

浅尾順子「はちみつレモン」
浅尾順子「明日へ」
浅尾順子「水差しのバラ」